クルーズコントローラ分解

作成日:2007.12.11
最終更新日:2007.12.11


 VOXYに取り付けた後付けクルーズコントローラ、アメリカ製の”CCS−100”ですが、取り付けてから1年半経過して、動作が不安定になってきました。

 ネットの情報をみると、このクルコンはすぐに壊れる・・・という話があって、早い人だと1年程度で壊れてしまうということですので、週に4時間も使って1年半持ったのならまだいい方かも知れないですね。

 と、いうことで、新しい”CCS−100”を手配し、アクチュエータ部のリプレースをしました。
 アクチュエータ部といっても、制御基板やコントロール用の電磁弁も一体構造になっているので、ほぼ一式取り替えたようなものです。

 取り替えが終わって、試運転をしてみると・・・・、なんとあろうことか不調が再現するではないですか。
 あれれー、ってことは本体の故障ではなかったみたいです、こうなると不調の原因は車速信号か、エンジン回転数信号の接触不良の可能性が高いですよね。

 ECUのコネクタから分岐タップで信号を取っているのですが、分岐タップというのは意外と信頼性が低く、このような接触不良はよくある話です。
 分岐タップをすべてカシメ直した結果、その後の2時間の使用でも何ら問題はなく、快適なクルーズができました。

 結局、壊れやすい製品だ・・・という先入観から、壊れてもいないものを取り替えてしまう羽目になりましたが、これで安心してしばらく使えるのでよしとしましょう。
 動作原理的には理解していますが、エンジニアという職業柄、実際の構造がどうなっているのかとても気になるので、取り外した本体をバラしてみました。

 分解すると、バキュームによりワイヤーを引っ張る”シリンダ”部分と、”電磁弁を含むコントロール基板”の部分に分割される事がわかります。

 シリンダは分解しませんでしたが、中身は単純なピストンだと思います。
 シリンダの内径は、約10cmですので、完全真空で約80kgの力でワイヤーを引っ張る事ができる計算になりますね。
 シリンダには3つの空気穴がありました。
 写真をみると、何やらゴチャゴチャしていますが、部品を固定するための形状であって、機能的に何かあるのは、3つの空気穴だけです。

 この空気穴はそれぞれ1つづ電磁弁に繋がるようになっています。
 電磁弁をシリンダ部にセットした状態です。

 ピストンを引っ張る時に開く電磁弁、ピストンを戻す時に開く電磁弁、一気にアクセルオフにする時に開く電磁弁の3つあります。

 先の2つの電磁弁は、これを開け閉めする事で、アクセル開度をコントロールするため、オリフィスが組み込まれていて、流路を絞っているものと思われ、電圧を掛けて弁を開くノーマルクロースタイプが使われていると思います。

一気にアクセルを戻す電磁弁は、クルコンを解除したり、ブレーキを踏んだりした時に、シリンダの真空を一瞬でゼロにするためのもので、これには絞りは無いようで、閉じる時に電圧を掛けるノーマルオープンタイプを使用してフェールセーフとしていると思います。

 電磁弁ユニットから上に白いプラスチックが伸びていますが、ここにエンジンの負圧配管を繋ぐ事になります。
 上の状態から、更にコントロール基板をセットした状態です。
 基板は、思ったよりもシンプルな構成ですね、1チップのマイクロプロセッサ(裏側にあります)と、あとは設定用のディップスイッチ、電磁弁のドライブ用のトランジスタくらいしか目立った部品は使われていません。
 電磁弁ユニットと基板は、コネクタでこのように連結されるようになっています。
 この製品が壊れるとしたら、電磁弁のトラブル(コイルのレアショートや断線、弁のシート漏れ)、シリンダのトラブル(漏れ、噛み込み)あたりが考えられますが、まぁほとんどは電磁弁のトラブルでしょうね。