ニッソーダブルライト90(90cm水槽用 30W×2灯式 蛍光灯)の32W×2灯改造方法

 90cm水槽はその名の通り幅が約90cmあるのですが、一番普及している(と思われる)90cm水槽用のニッソーのダブルライトは、30Wの蛍光ランプ(長さ63cm)を使っており、水槽の端まで蛍光ランプが届かないため、端の方では光量不足になります。
 そこで、長さが83cmの32W蛍光ランプに取替えて端まで光が届くようにして、かつ明るくしてやろうって計画です。

 じゃあ、蛍光管のソケットを移動して、32Wのランプをつけて・・・・、なんて簡単には行かないのです。
 蛍光灯には安定器がついていますが、30W用の安定器では32Wのランプは安定して点灯させることはできません、32W用の安定器に取替える必要がありますが、残念ながらこれは非常に入手困難です。
 そこで、某熱帯魚雑誌で知った「ボズシ工房」さんの蛍光灯インバータを使うことにしました。
 インバータにすると、明るさ約2割アップ・消費電力約2割ダウン、おまけに器具が軽くなるし発熱も少なくなるという、いいこと尽くめです。

 インバータを手に入れ、早速改造・・・ところがどっこい、このライトなんと手強い事か、一筋縄ではいきません、ライトの上部にサービスコンセントのための窪みがあるのですが、これが邪魔になってソケットを移設することができないのです。
 分解したライトと32Wの蛍光ランプと物差しとマーキング用のペンを恨めしそうに眺めること30分・・・、辿り着いた結論がこの改造方法です。

 この写真は、改造前のライトですが、90cm幅に対して、ランプが63cmしかなくライトの両端まで十分に光が回らない構造になっています。
 そこで、83cmの長さの32Wのランプを取付けて端まで明るくしようって寸法です。
 写真の矢印のように、「1」を「1’」に「2」を「2’」にソケットを移設すれば物理的には32Wのランプが入るハズですね。
 ところが・・・です、「1」はそれでいいのですが、「2」は、ちょうどこの位置にカバーのサービスコンセントの窪みがあって、ここに移設することはできないのです。
 写真の黄色ステッカーが張ってある部分が裏を返せば出っ張ってる訳ですが、「2’」の位置はちょうどこの部分と干渉するのです。
 そこで、下のランプを目一杯左に寄せて、サービスコンセントとの干渉を避けて、反対側のソケット「3」も「3’」に移設することにしました。
 実際の移設位置の説明です。
 スイッチ側のソケットですが、写真のように移設しますが、移設する場所にライトのプラスチックカバーと反射板を固定していたビスの穴がありますので、この穴をソケットを固定するためのビス穴として使います。
 というか、この穴を基準として反射板をカットするのです。
 で、移設後の写真です。
 移設したソケットの横に、見慣れない穴(新しい穴と書いてある部分)が空いていますが、これは元々あったプラスチックカバーを止める穴を上の改造で使っちゃったので、代りに開けたものです。 これは後で説明します。
 また、元のソケットがあったところはアルミテープで蓋をしました。
 今度は反対側のソケットです。
 矢印のように移設しますが、反対側のソケットの位置はここまでの作業で決まっていますので、実際に32Wのランプを合わせてみて、長さを調整しながらこちら側のソケットを付ける位置を正確に決め、加工します。
 これが、移設後の写真です。
 ここにも新しい穴が登場しますが、これも元あったカバー固定用の穴がソケットを付けるためになくなっちゃったので、代わりに固定するために開けます。
 流用する穴と書いてある方は、元々はソケットの固定に使われていた穴ですが、プラスチックカバーとの固定用に流用します。
 こちら側も元のソケットのあったところは、アルミテープで蓋をしました。
 また、インバータ化にともなって、安定器・グロー球・周波数切替スイッチも取外しますが、これらの穴も同じようにアルミテープで蓋をします。写真ではグロー球の穴を塞いであるのが見えると思います。
 今度はカバー側の改造です。
 新しく開けた穴や、流用する穴の位置に固定用のボスがないと穴があっても固定できませんよね。そこでボスの方も移設します。
 写真の丸で囲んだものがボスですが、これを移設しますので、根元から上手に切取ります。
 ニッパで少しずつ力を加えながら回転させて取るとうまく行くと思います。
 取ったボスを写真のように移設します。
 私の場合は、5分硬化型の2液混合エポキシ接着材を使用し、周囲から土手のように盛上げて強度を確保しました、接着剤が硬化するまでセロテープなどで固定しておくとよいでしょう。
 ひょっとすると、瞬間接着剤などで仮止めして、補強のためにエポキシを使うってのもありかも知れません。
 また、エポキシ接着材は硬化後収縮しない、充填接着ができるタイプがよいと思います。
 反対側(スイッチ側)のボスの移設状況です。
 ここのボスは切取るのが結構大変だと思います、なんせマイクロニッパでも入りません思いっきり狭いです。
 上手に取ってとしか言いようがないです。(無責任モード)
 ここまでいかにも反射板に穴を空けるのが先のように説明してきていますが、実際はこの部分がいい例ですが、ボスの位置を正確に決めるのは困難です。
 元々ソケットの固定穴だった部分を流用する箇所以外は、ボスを移設してから、ボスの位置に合わせて反射板の穴を空けるといった手順の方がいいと思います。(実際、私はそうしました)
 あとは、インバータの配線をして、インバータ基板と配線を固定します。
 インバータ基板の固定は、ボズシ工房さんが、固定用のパーツを一緒に付けてくれるのでそれを使います。(ボズシ工房さん、ありがとうございます)
 配線の固定は、ビニールテープでも何でもいいのですが、私の場合は、作業をしている周囲を見渡したらアルミテープが転がっていたので、それを小さく切って使いました。 本来は絶縁物で固定すべきでしょう。(^^;)
 インバータの配線方法や使用上の注意事項については、△ボズシ☆さんのホームページで確認してください。
 改造完了後の反射板です。
 周波数切替スイッチやグロー球を外した穴が目立ちますし、湿気が入りやすくなりそうなので、蓋をしたほうがいいと思います。
 私の場合、反射率を上げるため、アルミテープを全面に張り付けしました。
 私が使用したのは、保温用の分厚いやつですが、キッチン用品(流し台の目張用)のアルミテープでも同じだと思います。
 元通りプラスチックカバーと反射板を組立てて、実際に32Wの蛍光ランプを取り付けた状態の写真です。
 ランプが中心より端に偏っていますが、気にしないでおきましょう、サービスコンセントとの干渉を避けたためで、他に方法がないのです。